アニメ バジリスク 桜花忍法帖
甲賀忍法帖のファンだったので、アニメ放送に期待をしていないといえば嘘になるが
同程度の不安もまた然り内在している。
甲賀忍法帖のオマージュ作品は、この作品の如く、山田風太郎氏に憧れて、吐いて捨てる程産み出されてきた。
しかし、未だ起源となる甲賀忍法帖を超える作品はない。
アニメだけ視た者、漫画だけ視た者にはわからないかもしれないが、甲賀忍法帖に出てきた人物たちは、人智を超越した忍法を使うが、それにはどこかリアリティーがある。
たとえば丈助。
鞠のような体つきで、クッシング症候群を思わせる姿をしているが、その男の忍法を語るときに、白血球の偽足を思わせる原理だと、医学的な知識を背景に説明が為され、どこか信憑性を抱かされる。
そして魔物。薬師寺天膳。
不死の原理はヒドラの如しと説明される。
瞳術などの奇想天外の最強忍法や、予想のつかない勝負の行方、勝負の組み合わせだけが魅力ではない。
どこか現実味をもった超人たちを惜しむことなく消していく、非情の忍法ドラマもまた魅力の一つ。
果たして桜花忍法帖にそれはあるのか。
あるいは、山田風太郎氏を超え、原作の枠を超える発想があるのか。
それがこの作品に対する私の不安の種である。。。